サン・ジェルマン・デ・プレ教会(2)歴史と建築

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◆サン・ジェルマン・デ・プレ教会(2)歴史と建築

◆15世紀にわたる歴史

 〜ベネディクト会修道院から今日の小教区教会へ〜

542年、メロヴィング王ヒルデベルトは、聖遺物と歴代の諸王の墓を守るため
    聖十字架と聖ビンセントのバジリカを建設。
558年、ヒルデベルト王の埋葬と同時にパリ司教ジェルマノのためのバジリカ
    の献堂が行われる。
576年、ジェルマノがバジリカの下に埋葬される。
8世紀、ベネディクト会修道院の頂点として権勢を誇る。
9世紀、ヴァイキングが修道院を破壊。
1000年、ロベルト・ル・ピウの指揮の下、モラー修道院が建設を再開。
    尖塔、身廊(ネフ)、聖サンフォリアン礼拝堂、後陣を手がける。
1163年、教皇アレクサンダー3世、新しい内陣を聖別、旧内陣は規模縮小となる。
    その後、王室権力の増大により非聖職者が大修道院長の地位に就く院外修道
    院長制度ができると、次第に厳格な修道会則が守られなくなり、
17世紀、ベネディクト会サン・モール修族修道士が大きな修道院改革を行い、
    精神的な飛躍をもたらす。その後、修道院から小教区に昇格。
1790-1800年、フランス革命と都市化の波に状況は混乱。
19世紀、重要な修復作業がゴードやバルタールらの建築家によって行われる。

 今日小教区教会は地域住民、学生、専門学校生、通行人や観光客を広く受け入れ、信仰の恵みを分かち合う場となっている。

◆教会建築のさまざまな特徴d0004296_234495.jpg
◆クロッシェ-ポルシェ(上の写真)
 990年モラール大修道院長により建設開始。
 正門は12世紀のもの。正門上部の彫刻には「最後の晩餐」が表されている。残念なことに教会の扉上方の三角形または半円形の壁を飾るタンパンは1604年に取り外され、円柱の像は革命の際に破壊されてしまった。屋根になっているポーチは17世紀のもの。錬鉄製の正門は献堂1400周年記念の際に取り付けられたもの(1958年)。

d0004296_237426.jpg◆ネフ(身廊)
 約半分は9世紀のロマネスク様式。正門から祭壇までの中央の空間をネフという。五つの柱間のあるロマネスク様式のネフは半円径の柱が四本向かい合い一本の柱になっていて、それらの柱で側廊と仕切られている。柱の柱頭には、物語になっている一連の彫刻が施され、ロマネスク初期彫刻の簡素かつ厳格なスタイルを表している(これらは複製で、オリジナルはクリュニィ美術館に収蔵)。ネフと側廊の丸天井は17世紀に作られ、ネフの内側の壁には、H.フランドランが描いた一連の壁画がある。中でも傑作は内陣入口にある二つの壁画「十字架を担うキリスト像」南側と「エルサレム入城」北側である(1843年作)。南北両袖廊の交差部には17世紀の終わりに作られた仮祭壇がある。この祭壇の左側の石柱には15世紀の木製のキリスト十字架像がある。(Photo by Ananöちゃん)

◆内陣
 奥行きのある12世紀の内陣は現代風の鉄格子に囲まれている。その上にはトリフォリウムと呼ばれる小さな柱の並んだ通路があり、その大理石の柱はメロヴィング朝時代のバジリカ式教会のもの(6世紀)が使用されている。左右四つの半円形のアーチに続いて先の尖った(オジーヴ)アーチが五つある。

◆後陣周歩廊
 周歩廊はまた交差リブによるヴォールト(丸天井)になっている。12世紀当時の教会のものが今も残されています。左右にある4つの四角形の礼拝堂(見取図 6,7,14,15)と円形の礼拝堂(9,10,12,13)そして五つの交差リブのアーチの九つからなる小礼拝堂がある。
 教会の中心に位置する一番奥の祭室は19世紀の初期に当時の様式に従ってすっかり再建されている。1958年の修復の際、多色彩色されていた当時の壁石は洗い落とされてしまったが、教会の他の部分にもまだ残されている。
 聖アンナと聖ジュヌヴィエーヴの礼拝堂(9,10)には、窓の下に小さな柱とアーチで象られた素晴らしい基壇がある。革命の時に破損を受け、後板で覆われていたが、1958年に後板が取り外され発見された。

◆教会内部見取図d0004296_231499.gif
◆聖サンフォリアン礼拝堂(見取図 21)
d0004296_0153610.jpg サンフォリアンは、オータンの貴族でした。そこでは、シベルという異教の女神が特に崇められていました。その祝日には女神の像が車に乗せられてオータンの街路を巡り、群衆が頭を下げて礼拝するのが常でした。 その儀式に参加していた総督のヘラクリウスは、シベルをすべての神々の母として拝むようにサンフォリアンに命令しました。しかし、彼は唯一の神だけを拝むと言い張り、固くキリスト信仰を守ったので、死刑に処せられ殉教しました。5世紀の中頃、オータン司教は大きな教会をその地に建てました。記念日は8月22日。守護分野は旱魃、鷹匠、学童。
◆聖サンフォリアン礼拝堂の歴史
540年 ジェルマノ、オータンの聖サンフォリアン修道院の修道院長となる。
    その後パリ滞在中にパリ司教に叙階される。
576年 パリ司教ジェルマノ死去、ヒルデベルト王のバジリカの柱廊の
    足下に埋葬される。
756年 民衆の声によって列聖される。
    ジェルマノの遺骨がバジリカの上に移される。
1020年頃 礼拝堂が当初の設計図に従って建設される。
    おそらく聖ジェルマノの墓所がはじめにあった場所を記念するために
    建てられた礼拝堂で、大修道院の右側の低いところからから入ることが出来る。
    ここで一般信徒のためのミサが挙げられます。
1619年 ジュネーヴ司教聖フランソワ・ド・サルが聖サンフォリアンを祝して
    (ジェルマノのために、聖サンフォリアンとの縁を記念して)新たな祭壇を聖別。
1690年 荒廃した時代の後、ドン・ベルナール・ジョリが壁や屋根を修理
    するための資金を調達。
1792年 9月、革命の波に遭い、100人を超える教会の反対者が監禁、
    処刑された。
1853年 重要な工事が建築家バルタールによって開始。
    原初の外観が木造で覆い隠されてしまう(公教要理の礼拝堂)。
1971年 修復工事は考古学的な遺跡調査のため延期。
1992年 遺跡調査終了、修復工事が再開。
    現代の芸術家、ピエール・ブラグリオがその任にあたる。
1993年1月27日 聖サンフォリアン礼拝堂、ルスティゲール枢機卿により
    公式に祝別、現在に至る。

 サンフォリアンは、シンフォリアノとかシンホリエン(最初ホリエモンかと思った)とも表記されることがありますが、このようにジェルマノとは切っても切れないゆかりがあることが分かりました。だから、サン・ジェルマン・デ・プレ教会に聖サンフォリアン礼拝堂が作られたんですね。いろんな歴史が紐解かれてきて私自身も面白かったですし、勉強になりました。
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聖サンフォリアン

 建築としての教会の歴史や、そこにまつわる聖人やキリスト教の聖伝(神話の域に入っていることもありますが)を踏まえていくと、ヨーロッパの教会巡りも観光以上の醍醐味が持てると思います。時間をかけてパリの教会についてすこしずつ調べていきたいと思っています。となると現地へ出かけて取材もしないと・・・。ふふふ。何かのご参考になりましたら幸いです。
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by tsk1225 | 2006-03-01 22:40 | サン・ジェルマン・デ・プレ


  仙台に移住して3年目。    日々の日記と写真たち。


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